情報アイランド

「情報を制する者は世界を制す」をモットーに様々な情報を提供することを目指すブログです。現在はプログラミング関連情報が多めですが、投資関連情報も取り扱っていきたいです。

暗号通貨の応用

2016/12/05

47氏のデジタル証券

かつて47氏は「デジタル証券によるコンテンツ流通システム」を構想していました。
http://www.geocities.co.jp/SiliconValley-SanJose/4431/htmlcache/Digikabu.html
そして、当時の47氏の構想を咀嚼した人の中には少なくとも2004年頃までには「デジタル証券によるコンテンツ流通システム」を通貨システムと結び付けるという発想があったようです。
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2004/05/47.html
>地域通貨のような仕組みと、デジタル証券システムのような仕組みを、Winnyに追加する
Winnyは純粋P2Pでのファイル共有を目指したものでしたが、47氏の「デジタル証券によるコンテンツ流通システム」は純粋P2Pではありませんでした。
それから10年以上の年月が流れてしまいましたが、Bitcoinを嚆矢とする分散型合意形成システムにより、47氏の「デジタル証券によるコンテンツ流通システム」を純粋P2Pで実現することが可能と思われます。

コンテンツ流通システム

吉本佳生さん×西田宗千佳さんトークイベントで暗号貨幣の応用としてのコンテンツ流通システムの話がありました。

http://live.nicovideo.jp/watch/lv179553241
「例えば、音楽とか電子書籍を買ったときの著作権情報、これをBitcoinのような形で流通させると、どこかの電子書籍ストアだとかどっかの音楽事業者に紐付かないで、自分が買ったデータは真正のものですよというのを担保した形で流通させていくことができる。
こういう仕組みというのは実は未だ実装されてないんですけども、こういった形で今のBitcoinの暗号通貨というのが持っているアーキテクチャの可能性を生かすことはできると思います」

問題はこれをどのようにして実現するか?ということです。
購入したコンテンツの利用権を譲渡することができるということはコンテンツの利用権とブロック鎖システムの秘密鍵が結び付くということなのですが、秘密鍵自体は現実の人間と直接的に結び付いている訳ではなく、秘密鍵自体を譲渡することもできなくはないですし、もっとあり得るのは秘密鍵の共有です。更には秘密鍵を公開してしまうこともでき、その場合、秘密鍵に結び付いているコンテンツの利用権は誰でも利用可能な状態になります。
そのため、単純に既存のブロック鎖の仕組みを使ってコンテンツの利用権を譲渡できるようにするだけではファイル共有と同じ結果を齎す秘密鍵共有を阻止することができず、コンテンツ流通システムとしては機能しません。
この点に関して私は度々指摘を行い、コンテンツ流通システムが実現可能だと主張する人に対して具体的な方法の提示を催促していたのですが、独自に巧い方法を考え付きました。
問題は秘密鍵が公開されてしまうということなので、秘密鍵が公開でき難くしてやれば(普通の損得勘定を持っている人にとっては秘密鍵が公開できないようにしてやれば)良い訳です。
なので、コンテンツの利用権が発行された後、それを利用するためには一定金額以上の自己預託を必要とします。
つまり、コンテンツ利用権を購入した場合であっても、コンテンツ利用権を所有している口座に、更に一定金額以上を所有させなければコンテンツが利用できないようにします(コンテンツ利用時にコンテンツ提供者がコンテンツ利用権を所有している口座に一定金額以上の残高があるか確認します)。
コンテンツ利用権の譲渡は変わらず可能です。ただし、後主の口座に一定金額以上の残高がなければ、一定金額以上となるように残高を補充しなければコンテンツを利用することはできません。
この場合に、秘密鍵共有をしようとした場合はどうなるでしょうか?
コンテンツ利用権が0.1BTCで最低預託金額が1BTCであるとすると、自らコンテンツ利用権を購入し、共有を行おうとする者(所謂、1次放流者)は、コンテンツを利用できる状態で放流を行うには公開する秘密鍵に対応する口座に1BTC以上を預託する必要があり、相当強い放流の抑止力となります。
それでも尚、1.1BTCを使って放流を実行したとしても、少なくとも預託された1BTCの方は直ぐに誰かに窃取されることになるでしょう。
結果的に、コンテンツは利用不可となります。コンテンツ利用権が窃取される場合もありますが、コンテンツ提供者にとってそれはコンテンツ利用権の譲渡と何ら変わりないため何の問題もありません。

因みに、コンテンツ流通システムとDRMは別のものです。コンテンツ流通システムはDRMを実現するものではありません。
コンテンツ流通システムは既存のDRMと組み合わせての使用が想定されます。
尚、私は純粋P2PにおけるDRMについては全くの無知ですが、調べてみると論文は出てくるので研究はされているようです。

予測市場

暗号貨幣の有力な応用として予測市場があります。

予測市場の一例としては、アニメ円盤売り上げ枚数先物取引が挙げられます。
http://ai.2ch.net/test/read.cgi/anime4vip/1395667406/904
私自身、売りスレはスレ番2桁時代から見ている古参でアニメ円盤売り上げ枚数先物取引については前々から考えていました。
暗号貨幣の応用として作ってみても良いかなと思っています。

それから証明市場を予測市場として作るという提案がされています。
https://github.com/pirapira/proofmarket/blob/master/README.ja.md

自民党が2020年のオリンピックまでに暗号貨幣による決済を普及させることに乗り気のようなので
オリンピック絡みの予測市場を作るのも良いかもしれません。

分散コンピューティング

暗号貨幣の応用の1つとして、分散コンピュータネットワークへの計算力の提供により暗号貨幣が得られる枠組みがあると思います。
最終的な目標は純粋P2Pでの仮想機械(VM)構築とその上で動くアプリケーションの開発ですが、それは技術的にとても難しいと思われますので、特定の計算を行う分散コンピュータネットワークの構築を試みながら、純粋P2PでのVM構築を模索していくという形になるかと思います(詳しい議論はhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/19552/1400856089/157-178を見てください)。

最近では如何なる非分散/分散を問わず、どのような環境でも動作するアプリケーション(を実行するための枠組み)が作れないだろうかとも思っています。

将棋の機械学習etc

分散コンピューティングの1つなのですが、やねうらお氏が昔こんなことを書いていました。
http://d.hatena.ne.jp/yaneurao/20131028
>計算資源の貸し出しについて
>いまから思考時間制御のコードを書いて、自己対戦をしてパラメータの調整などをしないといけない。
>ところが自己対戦200戦もするとなると、2分切れ負けでも相当時間がかかる。
>そもそも2分切れ負けだと後半、ほとんどの指し手が1秒なので実験にならない。
>そこでテスト用のマシンが複数必要になる。このマシンを本来は不特定多数からお借りすることが出来ればいいのだが、
>インターネットが普及して20年近く経とうというのに、い
>まだ仮想化された計算資源を、投げ銭をするぐらいの手軽さで他人に貸し出すことはできない。
(中略)
>仮想環境自体はGoogle Native Client程度のもので良いのだ。
>問題は、それをクリック一つで他人に貸し出せなければならないということだ。
>(貸し出すからには、相手が自分のPCのリソースをどれだけ使用しているのかだとか、
>いつ使用していたのかだとか、そういう統計情報の表示が必須である。)
分散コンピューティングの具体的な応用例として考えられるかと思います。

将棋の局面解析――将棋エンジン as a service

将棋の局面解析自体しても良いのではないかと思います。
つまり、分散コンピュータネットワークに局面図(と料金分の暗号貨幣)を送るとその局面の評価値や最善手が返ってくるというものです。
これを「将棋エンジン as a service」と呼ぶことにしました。

金融市場分析

分散コンピュータネットワークを使って金融市場のセンチメント分析ができないだろうかという話をTwitterでしたことがあります。
暗号貨幣の世界には「分散型自治組織」という概念がありますが、暗号貨幣の所有者が分散型自治組織に暗号貨幣という形で出資し、分散型自治組織が金融市場分析に基づいた金融取引を行い、ポジションの管理や利益の分配などを全て自動で行うことが出来たらそれは「分散型投資集団」と呼ぶべきものとなるのではないでしょうか。

人工知能

人工知能の研究開発や実行に分散コンピュータネットワークが使えないかと思っています。
暗号貨幣の分野で人工知能は分散型自治組織との絡みで良く俎上に載せられているのを見掛けます。
人工知能のみからなる「分散型自治組織」というものも(人間並みの人工知能が具現化されていない現状では現実味が薄いように思えますが)考えられていますし、人工知能は自己の不法行為に対する損害賠償を支払う必要がないという指摘も為されています。
http://www.wired.com/2014/03/decentralized-applications-built-bitcoin-great-except-whos-responsible-outcomes/
>Indeed, if DAOs are independently operated — (中略) — who is actually in charge,
>responsible for, or accountable for their operations?
>if their resources cannot be seized(because DAOs have full sovereignty over them),
>how can they be required to pay damages for their torts?
>In the case of Ethereum, the authority of the code cannot be questioned,
>nor can it be repealed by the law.
私はそれより人工知能には納税義務がないという点の方が大きいのではないかと思っていてその点に関してはTwitterで指摘しました。
そうすると、人工知能に法人格を付与していく流れになるのかなとも思うのですが、人工知能は幾らでも自分自身を簡単に複製できる筈なので実効性のある枠組みを作るのが難しそうだなと思っています。

形式化数学

「予測市場」の項で証明市場を予測市場として作るという提案がされていると書きましたが、証明市場(典型的には数学的証明の市場)を作るには形式化された数学が必要です。
数学の形式化はFregeやWhitehead and Russellの時代から試行されてきましたが計算機科学の発展や数学基礎論の進展によって基盤は十分に出来ています(出来ていると思います。どういった公理系を採用するか(採用するべきか)は難しいところだと思いますが)。
しかしながら、The QED Manifesto(※1)が発表されてから20年以上経つというのに、数学で重要な100個の定理の形式化の進捗率は90%といったところであり(※2)、より深い数学の形式化はまだまだといったところでしょう。
(※1)http://www.cse.chalmers.se/research/group/logic/TypesSS05/Extra/wiedijk_2.pdf
(※2)http://www.cs.ru.nl/~freek/100/

形式化法学

まず、形式化法学という言葉は私以外余り使っていないようです。
ただ、形式化数学との類比を考えると形式化法学と呼ぶべきだと思っています。
通常は「法的推論システム」などと呼ばれるのですが、法的推論システムは第五世代コンピュータと共に頓挫した感があります。
法的推論システムについて余り詳しくないので若しかしたら間違っているかもしれませんが、今までの法的推論システム(形式化法学)は既存の法律を如何に形式化するかを追求しようとしていたのではないかと思います。
実は、形式化法学にはもう1つ方向性があって、最初から形式化された法律を作ってしまってそれにある程度の独立執行力を付与するというやり方があります。
既存の法律とは全く異なる新しい法律を作るということなので今の法学者には絶対に受け入れられないような気もしますが、純粋P2Pネットワークの上で法律を施行させることは可能ではあります。
この辺はEthereumが電子契約などで頑張ろうとしている(ように見える)分野ですが、私は取り敢えず分散型自治組織のための会社法を作るところから始めてはどうか?と思っていてこれを「会社法2.0」と呼んでいたりします(最近は会社法に限定せず「法律2.0」で良いかとも思い始めていますが)。

それから不動産登記法なんかも形式的な部分が多いので形式化し易そうに思えます。
ただ、日本の現行の不動産登記法は本人性を非常に重視していて秘密鍵を知っているかどうかでしか本人確認ができない暗号貨幣の枠組みとは相性が悪いです(※)
(登記官は基本的に形式的審査権しか有しませんが、本人確認に限っては実質的審査権を有します)。
なので、現実の土地に対する不動産登記制度として暗号貨幣の枠組みを用いるのは難しそうで、私は、仮想空間に対する不動産登記制度として使えないか?と考えています。
(※)不動産登記法24条
登記官は,登記の申請があった場合において,申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは,申請人又はその代表者若しくは代理人に対し,出頭を求め,質問をし,又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により,当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。
http://sloughad.la.coocan.jp/fuka/fjma/fd024d.htm

P2P仮想空間

かきかけ

pizyumi
プログラミング歴19年のベテランプログラマー。業務システム全般何でも作れます。現在はWeb系の技術を勉強中。
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